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課題集 サツキ3 の山

○自由な題名 / 池新
○こわかったこと、何かを初めて食べたこと / 池新
★学校へ行く道、山さいつみ / 池新

○コーヒーの歴史 / 池新
 コーヒーは、世界で最も親しまれている飲み物のひとつです。世界中で、毎日二十億杯分ものコーヒーが消費されています。世界中で売り買いされるコーヒーの量は膨大で、その売上額は年間八兆円にものぼります。
 このように世界中で親しまれているコーヒーですが、その歴史がアフリカに始まったことはあまり知られていません。コーヒーの木は、もともとエチオピアの高原に自生していました。コーヒーは、十五世紀までもっぱらアラビア半島でのみ栽培され、国外に持ち出すことはできませんでした。
 十七世紀に、オランダ人がコーヒーの苗木をオランダ本国へ持ち込みました。そして十八世紀に、コーヒーの木は、フランスの国王ルイ十四世への贈り物として、フランスの植物園に送られました。当時、コーヒーの木は大変な貴重品でした。
 やがて、フランスはコーヒーの栽培と輸出に乗り出そうとしますが、計画はことごとく失敗します。
 あるとき、一人の海軍士官が、ひそかにコーヒーの苗木を持ち出し、カリブ海にある自分の農園で栽培しようと考えました。当時の船は帆船はんせんで、長い船旅の間に飲む水もなくなるほどでしたが、彼は自分の飲み水を苗木に分け与えて、ようやく農園にたどりつきました。
 海を渡ったこの苗木は、その後、南北アメリカ諸国にコーヒーの栽培を広めるもととなりました。今では、八十もの国や地域で、推定百五十億本のコーヒーの木が栽培されています。
 コーヒーの成分であるカフェインは、神経を興奮させる働きがあります。人間の体にはもともとドーパミンという物質があり、これは快感を感じるとたくさん分泌されます。このドーパミンの働きを抑制する物質がアデノシンで、人間は普段興奮と安静のバランスを∵とって暮らしています。ところが、カフェインはアデノシンと形が似ているので、アデノシンのかわりに先にドーパミンに結びついてしまい、そのためにコーヒーを飲むとドーパミンの興奮が続くようになります。子供のうち、コーヒーは控えた方がよいと言われるのはこのためです。
 さて、コーヒー豆には、いろいろな種類があります。有名なところでは、ブルーマウンテン、モカ、コナ、キリマンジャロなどです。みなさんも大きくなったら、いろいろなコーヒーの味を飲み比べてみてはどんなモンジャロ。

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(Μ)