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課題集 サツキ の山

○自由な題名 / 池新
○わたしの長所 / 池新
★清書(せいしょ) / 池新

○年の数え方(感) / 池新
【長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。】
 コロンブスの時代、人々はまだ、地球が丸いとは思っていませんでした。そのころ、ヨーロッパ諸国は、貿易を行いキリスト教を広めるため、さかんに船で東方にあるアジア進出を目指していました。この時代を大航海時代と呼んでいます。
 イタリア生まれのコロンブスは、東を目指す人々とは異なる考えを持っていました。彼は、地球が丸いことを信じていました。アフリカの南をまわってアジアを目指すよりも、大西洋を西へ進んだほうが、ずっと早くアジアにたどり着けるはずだと考えたのです。もう一つ、コロンブスに航海を決心させたものがあります。それは、マルコ・ポーロの「東方見聞録」でした。そこに書かれていた、黄金の国ジパング(日本)は、ヨーロッパの人のあこがれのまとでした。彼はスペインの女王の援助を受け、サンタ・マリア号に乗って、西回りでアジアに行く計画を実行することになりました。
 このとき、コロンブスが要求したことは、もしインドを見つけたらその宝の十分の一を自分がもらうこと、発見した土地の総督になること、スペインの貴族になることなどでした。当時、遠洋航海には莫大な資金が必要でした。このため、イギリスやフランスは、コロンブスの提案を受け入れることができませんでした。コロンブスにとってもスペインの女王にとっても、航海は大きな賭けだったのです。
 サンタ・マリア号の乗組員たちは、地図にも載っていない未知の海域へと航海に出ました。そして、二か月以上の航海を経て、ようやく陸地を見つけることができたのです。コロンブスの考えでは、そこはアジアのはずでした。
 地球儀を見るとわかりますが、ヨーロッパから西に向かって大西洋を横断すると、巨大なアメリカ大陸にぶつかります。アメリカ大陸を越えて広い太平洋を横断しなければ、アジアに∵到着することはできません。実際の地球は、コロンブスが考えているより、ずっと大きかったのです。
 アメリカ大陸の存在を知らなかったのですから、コロンブスが新大陸をアジアだと思ったのも無理はありません。コロンブスは、上陸した島々に名前をつけ、スペインの領土としました。
 当時、インドという言葉は漠然とアジア全体を指す言葉としても使われていました。アメリカ大陸にもともと住んでいた人々を、コロンブスはインドの人という意味でインディオスと呼びました。
 スペインに帰ったあと、彼の発見はたいへんな評判になりました。彼は一生、自分が発見した陸地をアジアだと信じていたそうです。
 コロンブスのタマゴの話は有名です。この話を聞いて、ある人が同じようにタマゴを立てようとすると、タマゴはうまく立たずに、コロン。その人はブスっとしていたそうです。はい、縮めて言うと、コロン。ブス。

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(κ)∵
 【1】七五三というのは年のことですが、実際は六歳や四歳でお祝いをすることがあります。七五三の年は、数え年というもので、実際の年より一つか二つ上になります。どうしてこういう年の数え方をするのでしょう。
 【2】今は誕生日がくると一つ年をとる満年齢が普通です。しかし、昔はそうではありませんでした。新しい年がくると、みんないっせいに一つ年をとったのです。
 【3】お年玉というのは、もともと年の魂のことで、お正月に年の魂であるお餅を食べて、年を一つとったというわけです。
 この数え年の考え方は東洋のもので、西洋では昔から今のような満年齢の数え方でした。【4】西洋では、赤ちゃんが生まれてきたときから、年齢を数えます。しかし、日本では、お母さんのおなかにいるときから赤ちゃんの年齢を数えるため、生まれた瞬間に一歳としました。【5】もし、十二月三十一日に生まれたとしたら、その赤ちゃんは生まれたときにもう一歳です。そして、次の日に元旦を迎えると、すぐに二歳になるのです。
 【6】だれもが同じ一月一日に一つ年をとるというのは、それだけ年が改まるお正月の意味が大きかったからなのかもしれません。
 今の満年齢の数え方になったのは、第二次世界大戦後のことです。【7】生まれた日から数える満年齢の考え方は、それなりに正確で実用的です。しかし、お正月にお餅を食べていっせいに年をとった古き時代のやり方には、等しく命を大事にする文化があったように思えます。
 【8】お正月は、お雑煮のお餅を食べながら、モチっと日本の文化について考えてみるのもいいかもしれません。

 七五三は、三歳五歳七歳でお祝いをします。【9】どうして、年齢の順に三五七と言わないかというと、次のようなことがあるからです。
「えーと、そろそろうちの子も、あれだな。あの三五、えーと三五……」
「十五でしょ」【0】∵

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(α)