課題集 クリ の山
苗
絵
林
丘
★じゆうなだいめい
/池
池新
○いたずらをしたこと
/池
池新
◎びょういんにいったこと、どうぶつえん
/池
池新
○あたたかいゆきのいえ
/池
池新
一位になったリレー
/池
池新
【1】「リレーの選手は、そろそろ入場門に行きましょう。」
大内先生の大きな声が聞こえました。その声を聞いたぼくは、急に心臓がどきどきしてきました。ぼくは今年、リレー選手になれたのです。そわそわしながら入場門まで全速力で走りました。
【2】入場門に着くと、六年生の太一君からゼッケンを渡されました。ぼくのグループは、青いゼッケンです。太一君にゼッケンをつけてもらっていると、いつのまにかお母さんが隣に来ていました。
「ゼッケンつけると、さすがにリレー選手って感じがするね。がんばって。」
と言いました。【3】ぼくは少し照れくさくなりました。
いよいよ入場です。入場の音楽が流れてきたら、不思議なことに緊張はどこかへ飛んでいってしまいました。体も軽く、いつもより速く走れそうな気がしてきます。
ピストルの音で一年生がスタートしました。【4】トラックを一周します。ぼくは身を乗り出して一年生を応援しました。練習のときは、いつも二位でバトンをもらっていました。今日はどうだろうと気になって仕方ありません。
今度は、いつものように二位だけれど、一位の子とあまり差がないようです。【5】ぼくは、絶対に一位になりたいと思い、バトンを受け取りました。
赤のゼッケンは、すぐ目の前にいます。すぐにでも追い越せそうな気がしました。ぼくの周りを歓声が包んでいます。ぼくは、走るのに夢中で、応援団の声もお母さんたちの声も、はっきりと聞こえませんでした。【6】直線でぼくは一気に赤を抜きました。あっという間の出来事でした。∵
「やった! 抜かしたぞ!」
心の中で叫びました。目の前を誰も走っていないのは、なんて気持ちがいいのだろうと思いました。【7】そのまま一位でバトンを渡しました。太一君がぼくに飛びついてきて、
「やったな、やったな」
と頭をくるくるとなでました。ぼくは、まるでホームランを打った野球選手のようだと思いました。
【8】ぼくたちのグループは、そのあと二位になったり一位になったりを繰り返していましたが、アンカーの太一君には、三位でバトンが渡りました。太一君は、バトンを受け取ると、ひゅうっと風を切るように走り出しました。【9】すぐに白を抜いて二位です。ぼくは必死で応援しました。最後のコーナーで、ついに赤も抜きました。一位でゴールに入ってきた太一君は、とてもかっこうよくて、ぼくは太一君みたいになりたいと思いました。【0】
(言葉の森長文作成委員会 ω)