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課題集 ケヤキ3 の山

★じゆうなだいめい / 池新
○春を見つけた、種まき / 池新
★おどろいたこと、ほっとしたこと / 池新

○クマの冬眠 / 池新
 秋になると、「クマが出た」「クマに襲われた」などといったニュースを聞くことがあります。これは、冬ごもりに備えてたくさんのエサを食べようとしているクマが、人間の住んでいるところにまでやってきてしまうからです。
 動物には、外の気温に合わせて体温が下がってしまう変温動物と、外の気温にかかわらず、体温を一定に保てる恒温動物がいます。恒温動物といっても、決して体温が高温というわけではありません。クマも、冬の間は穴の中でじっとしていますが、これはカエルのような変温動物の冬眠や、リスやヤマネのような小動物の冬眠とは少し違います。したがって、クマの場合は冬眠とは呼ばず冬ごもりと呼んでいます。
 冬ごもり中のクマの体温は、いつもと比べて二、三度しか下がりません。エサも食べず、おしっこやふんもしませんが、完全に眠っているわけではなく、いつでも目覚めることができます。だから、何かが近くを通ると飛び出してきたり、冬でもエサを探してうろついたりするものもいるそうです。寒くてもエサが見つかればええさ、と思っているのでしょうか。
 冬の間、ほとんど飲まず食わずですごしたクマの体重は、もとの三分の二くらいに減ってしまいます。また、メスは、この冬ごもりの間に一頭から二頭の子グマを産みます。そして、冬の間、何も食べずに子育てをするのです。
 秋の間にたくさん食べて栄養を蓄えているとはいっても、何ヶ月もエサも食べず、排泄もしないで生きている動物たちの冬眠の仕組みは、じつはまだあまりよくわかっていません。しかし、人間も冬眠できるようにして、その間に病気を治療しようという研究がされているそうです。もしかしたら将来、戸口に、「サンタさんへ。冬眠中なのでプレゼントは春になってからとどけてくださいね」などと張り紙をする家が出てくるかもしれません。∵

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(τ)