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課題集 ケヤキ3 の山

★じゆうなだいめい / 池新
○寒い朝、体がぽかぽか / 池新


○昆虫の擬態 / 池新
 昆虫は、いつも危険にさらされています。空から舞い降りてきた鳥のくちばしに一瞬のうちにはさまれてしまったり、不意に伸びてきたカエルの舌に巻き取られてしまったり、昆虫は、いつも敵に狙われています。そのために、昆虫は、敵から身を守るための工夫をするようになりました。その一つが擬態です。擬態とは、自分の姿を、自分以外の生物や周囲の色や形に似せることによって、敵の目をくらます方法のことです。
 擬態には、大きく分けると二つの種類があります。一つは、周りの植物などに似せて、敵に見つからないようにする方法です。木の枝にそっくりのシャクトリムシやナナフシがこの例です。鳥だけではなく、人間が見ても、すっかりだまされてしまいます。木の枝が落ちてきたと思って拾い上げたら、それが動き出したのでびっくりしたという経験がある人もいるでしょう。この種類には、ほかにも、その名のとおり枯れ葉に化けるカレハガや木の皮に化けるキノカワガ、花に化けるハナカマキリなどがいます。
 もう一つの種類は、周りにいる危険な虫などに似せて、敵を寄せつけないようにする方法です。ハチに似ているアブやスズメガなどがこの例です。また、悪臭を発するマサギマダラに化けるカバシタアゲハやキボシアゲハなどもいます。敵に襲われそうになると、鳥の目玉のような羽を見せたり、毒々しい色をして敵を脅かしたりする昆虫もいます。
 擬態の目的は、他の動物から身を守ることだけとは限りません。カマキリは、葉の色と同じ色をしているので、獲物に気づかれずに狩りをすることができます。葉っぱだと思って近づいてきた虫は、すぐさまカマキリのカマに捕えられてしまいます。カマキリの前で金切り声を上げても後の祭り。これっきりというわけです。

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(Λ)