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課題集 カキ3 の山

○自由な題名 / 池新
○わたしの家族 / 池新
★清書(せいしょ) / 池新

○文字の歴史 / 池新
 私たちは、文字を使うことで、自分の意思を相手に伝えることができます。しかし、人類は最初から文字を持っていたわけではありません。私たちの遠い祖先は文字を持たず、話し言葉や身ぶり、手ぶり、音楽や踊りまで使って、意思を伝え合っていました。
 文字が生まれる最初のきっかけは、物の形を絵にかいたことでした。あるとき人間は、小さな絵をいくつもかいて、意思を伝えることを思いつきました。けれども、絵は人によって見方が異なるので、うまく伝わることもありますが、誤解されることも多かったことでしょう。また、いくら単純な絵といっても、たくさんかくのはたいへんです。より簡単にかけるように、絵の形はだんだん単純化されていきました。
 最初の文字を発明したのは、いまのイラクの南部、当時はバビロニアとよばれていた地域に住んでいたシュメール人だと言われています。今から五千年も前のことです。シュメール人の文字は、絵を簡単にした記号のようなもので、その一つ一つに意味がありました。このような文字は、絵文字とよばれています。絵文字を使って文章を書くためには、膨大な数の文字が必要です。これを使うのはたいへん難しく、またわかりにくいという欠点がありました。
 そこで、それぞれの文字に意味を持たせるのではなく、一つの文字に一つの音声をあてはめることを考えた人々がいました。そうすれば、それほどたくさんの文字は必要なくなり、話し言葉をそのまま写せるようになるので、簡単に使えるようになります。このような音だけを表す文字を、表音文字といいます。文字は、どんどん絵から遠ざかり、単純な記号になっていきました。
 一つ一つの記号に意味を持つ表意文字は、絵文字や象形文字など、数多くありましたが、どれもずっと昔に使われなくなって∵しまいました。しかし、今でも使われている表意文字があります。それは漢字です。中国には、多くの文学作品や宗教の書物があり、漢字は、昔からそれほど変わらない形で受けつがれてきました。
 日本語には、表意文字である漢字と、表音文字のひらがな、カタカナがあり、それらを混ぜて文を書き表します。これは、世界の言語の中でも特殊で、外国人から見ると、たいへん難しい言語です。
 大昔、日本には文字がありませんでした。日本人が初めて使った文字は、中国から伝わった漢字です。最初は、話し言葉は日本語、書く文章は中国の漢文という状態でした。漢字ばかりの漢文は、多くの日本人にとってちんぷんかんぷん(漢文)だったことでしょう。
 その後、漢字の意味を無視して、読みだけを日本語の音にあてはめた万葉仮名が作られました。これによって、話し言葉を文字で表記できるようになりました。さらに、漢字の形をくずして、一文字に一つ音をあてはめたひらがなができました。また、漢字の一部分をとったり、簡単な形にしたりすることによって、カタカナも作られました。
 現在では、漢字とかなをまぜて、自由に文を書き表すことができます。ひらがなの五十音だけで、文章をつづることもできるし、どの言葉を漢字で表すかは、書く人の好みで決めることができます。これは、日本語の表記のすばらしい特徴と言えるでしょう。
 ただ、面倒だからといって、すべてひらがなで書くと、思わぬ誤解を招くことがあるので注意しましょう。たとえば、次の文はどのように読めるでしょうか。「ははははははとわらった」(母はハハハと笑った・ハハハハハハと笑った)、「きのうおかあさんとぱんつくった」(パン作った・パンツ食った) 長文ちょうぶん(κ)