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課題集 カキ3 の山

★自由(じゆう)な題名(だいめい) / 池新
○とくいなこと / 池新


○CDの仕組み / 池新
 CD(コンパクトディスク)が登場するまで、音楽の録音にはレコードを使うのが一般的でした。レコードは、プラスチックの円盤に刻んだでこぼこの溝に針を当てて、音を再生する仕組みを持っていました。CDは光ディスクとも呼ばれ、光の信号を音として再生する仕組みを持っています。
 CDに音を記録するには、まず、音による空気のふるえをマイクで取り込み、それを電気の信号に変えます。この電気の信号は、さまざまな大きさの波の形をしています。レコードでは、この波の大きさをそのまま、レコード盤の表面に刻んでいました。
 光ディスクへの記録は、この電気の波をデジタル信号に変えて行います。デジタル信号は、0と1の二つの数字だけで成り立っています。この二つの数字の組み合わせで音の形や大きさを表し、そのデジタル信号を光ディスクに記録していくのです。
 光ディスクは、見ただけでは表面はでこぼこしていません。これは、でこぼこしている記録層の上が、平らで透明なプラスチックで覆われているためです。記録層はその奥にあるアルミニウムのとても薄い層です。ここには、ピットと呼ばれる、肉眼では見分けられないほど小さなくぼみがたくさんついています。光ディスクが虹のように輝いて見えるのは、たくさんの小さなくぼみに入って反射する光が、それぞれのくぼみから出るときにいろいろな波長の色に分かれるためです。
 音楽を聴くときは、このアルミニウムの層に光線を当てて、平らな部分とくぼみのある部分で反射する光の変化をデジタル信号として読み取ります。この信号を元の音楽や映像の信号に変えて、私たちが見たり聞いたりできるようにするのです。∵
 光を使って信号を読むので、光ディスクは何度繰り返して再生してもその信号が消えることはありません。また、デジタル信号を使うので、細かくてくっきりとした音楽や映像を記録することができます。
 ところで、CDによくある録音時間の74分というのは、なぜこんなに半端な時間なのでしょうか。これは、日本で年末によく演奏される、ベートーベンの交響曲第九番の演奏時間から決められたのだそうです。
 たまに、「カラスよけ」としてCDをぶら下げているのを見ることがありますが、あのキラキラした円盤の中に、こんなにたくさんの情報が詰まっているとは、カラスたちは夢にも思わないでしょう。カラスよけなんて、ヨケいなことするなと思っているだけかもしれません。
「ところで、CDさん。いつもきらきら光ってきれいですね。」
「そんなこと言ってもらうと、うれシィーディーす。」

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(τ)