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課題集 カキ3 の山

★自由(じゆう)な題名(だいめい) / 池新
○ならいごと、家族で遊んだこと / 池新
○ほしぞらを見たこと、ならいごと / 池新

○星の一生 / 池新
 夜空にはたくさんの星が輝いています。しかし、これらの美しい星は永遠に輝き続けるわけではありません。星にも一生があり、生まれたり死んだりしています。ただし、星の一生は人間の一生とはくらべものにならないほど長く、その寿命は人間の一億倍もあります。
 宇宙のあちこちには、冷たいガスやチリが集まった暗黒星雲と呼ばれるものがあります。暗黒星雲は、その名のとおり光を持たない黒い雲です。実は、この暗黒星雲の中には星の元になる物質がたくさんあります。何かのきっかけで暗黒星雲が縮み始めると、ガスやチリが集まってうずを巻きはじめます。このうず巻きが星のたまごです。
 重力によって更に縮んでいくと、うず巻きの中心部が濃くなり、熱くなっていきます。それは、やがて自ら光を放つようになり、赤ちゃんぼしが誕生します。冬の夜、肉眼でも見ることができるオリオン座の大星雲も、新しい星が生まれている場所です。星雲の中で、数え切れないほどたくさんの星の赤ちゃんが輝いています。
 一人前の星として輝きだした星のその後の運命を決めるのは重さです。太陽ぐらいの重さの星は最も長生きで、百億年ぐらいはそのまま輝き続けます。その後、年をとった星は、ぐんぐんふくらんで大きくなっていき、それにともなって温度も下がるため、真っ赤な色に変わります。さそり座のアンタレスや、オリオン座のベテルギウスは、赤くふくらんだおじいさんぼしの代表です。これらの星は、昔の姿とはすっかり変わっているので、アンタレスも「あんた誰です?」と言われてしまうかもしれません。
 巨大な赤い星は、風船のようにふくらんだりしぼんだりしながら、最後には爆発してしまいます。爆発のあとに残るのは、小さな白色矮星わいせいと呼ばれる星です。∵白色矮星わいせいは、たいへん重い星で、その星から切り取ったマッチ箱ほどのかけらでも、人間は持つことができません。ダンプカーでやっと運べるほどです。
 太陽よりも更に重い星は、燃料をむだづかいするため、寿命は数千万年ほどしかありません。このような星が年を取ってふくらむと、自分の体重をささえられず、急につぶれて大きな爆発を起こします。これを超新星の大爆発と言います。爆発のあとに残るのは、白色矮星わいせいよりもっと小さな中性子星です。中性子星は、中身が圧縮されたおそろしく重い星です。中性子星から、角砂糖一個分を切り取ってみると、その重さは一億トンもあります。
 更に重い星が死んだら、どうなるでしょう。巨大になった星は、更にはげしく爆発し、はげしくつぶれます。残った星は、そのものすごい引力のため、光さえも外へ出られなくなってしまいます。私たちは、この真っ暗な星を見ることはできません。ブラックホールと呼ばれるこの星は、近づくものすべてをものすごい引力で吸い込んでしまいます。それはまるで宇宙にできた巨大な落とし穴のようです。
 人間が生きている間に、一つの星の一生を観察することはできません。しかし、宇宙には生まれたばかりの星から死にゆく星まで、さまざまな星が輝いているので、これらを一つ一つ観測することで、私たちは星の一生を知ることができます。
 星も、人間と同じように、小学せい、中学せい、高校せいと成長し、さまざまな形に変化していくのです。そう言えば、動物園にもいました。オットせい

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(κ)