昨日394 今日50 合計152804
課題集 カキ の山

★自由(じゆう)な題名(だいめい) / 池新
○たいいくの時間、たまごを使った料理 / 池新
○とくいなこと、めだつ人 / 池新

○およげなくてもしずまない(感) / 池新
【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
 【1】日曜日のことです。お父さんが、
「ちょっと背中踏んで。」
と言いました。私は、時々お父さんの背中を踏んであげます。手でマッサージをするよりも、私が踏む方が気持ちがいいのだそうです。【2】私が手でマッサージをしても、お父さんにとっては物足りないのでしょう。
 私は、靴下を脱ぐと、
「うん、いいよ。」
と言いました。どうしてかというと、靴下を履いていると滑りやすいからです。
【3】「お父さん、乗るよ。」
と声をかけて、右足から背中に乗りました。そして、お父さんの背中の上でゆっくりと足踏みをしました。
「ううん。気持ちいいなあ。」
お父さんは、うつぶせになったまま声を出しました。
 【4】背中の上は、バランスをとって足踏みをするのが少し難しいです。それも、同じところだけでなく、背中全体を踏まなくてはなりません。足の裏全体で優しく踏むのは、少しコツが要ります。
 私は、
「もう少し強く踏んでもいい。」
と聞きました。【5】お父さんは、
「うん。思い切り踏んでいいよ。」
と答えました。私は、少し力を入れて踏み始めました。
 お父さんの仕事は、体をたくさん動かす仕事です。重いものを運ぶこともあるので、大変なのだと思います。【6】お父さんは、いつも元気に働いているので、日曜日にはたっぷり休んでほしいと思いました。∵
 私がしばらく踏んでいると、お父さんは気持ちよさそうに居眠りのふりを始めました。私は、ふざけて、もっと強く踏み出しました。
 【7】お父さんの背中は、広くて厚みがあって、まるで小さな丘のようです。私は、いつの間にかお父さんの背中の上にいることを忘れて、丘の上で行進しているような気持ちになってきました。
 【8】お父さんは、しばらく寝たふりをしていましたが、突然、
「いたたた。踏み方が強すぎる。」
と言って起き上がりました。私は、昔、お母さんにやってもらったように、
「痛いの、痛いの、飛んでけえ。」
と言ってあげました。
 【9】すると、お父さんは、にっこりして、
「よし、元気になったから、どこかに遊びに行こう。」
と言いました。私はうれしくて、お父さんに飛びつきました。【0】

(言葉の森長文ちょうぶん作成委員会 ω)∵
 およげなくてもしずまないみずうみ――ふしぎな死海しかい――

 【1】死海しかいでは、なぜからだがしずまないのか、そのわけをおはなししましょう。
 ふつう、みずうみは、海とちがって、ま水(しおけのない水)のわけです。【2】ところが、この死海しかいは、海の水よりも、もっとしおからいのです。六ばいもしおけがおおいのです。
 みなさんは、ま水の川や、プールよりも、しおけのある海のほうが、よくおよげるということを、知っているでしょう。
 【3】だから、海よりもしおけのおおい死海しかいでは、からだがうきあがってしまうのです。
 それでは、ふつうのみずうみはま水なのに、この死海しかいは、なぜそんなにたくさんのしおけをふくんでいるのでしょうか。
 【4】それは、こういうわけです。
 この死海しかいのあるところは、とちがひくくて、海より四百メートルもひくいのです。
 ですから、たくさんの川が、みんなこのみずうみにながれこんでいます。
 【5】ところで、このへんのとちは、しぜんのしおをふくんでいますので、川の水がすこしずつしおを死海しかいにはこんでいるのです。ところが死海しかいからは、どこへも水がながれていきません。【6】そのかわり、つよいたいようにてらされて、水だけがどんどんじょうはつしますから、しおがみずうみにのこって、だんだんしおけがこくなったのです。
 【7】さて、にんげんがしねないのに死海しかいというなまえがついているわけをおはなししましょう。
 【8】にんげんはしねないけれど、このみずうみには、さかながすんでいないのです。しおからすぎて、さかながすめないのです。
 さかなをはなしてやっても、みんなしんでしまいます。
 【9】にんげんだって、水におぼれることはありませんが、あまりながく、このみずうみにはいっていると、からだのひふがぴりぴりしてきて、たいへんなことになります。それで、死海しかいというのです。【0】

(「世界ふしぎめぐり二年生」より抜粋)