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課題集 ヒイラギ3 の山

○自由な題名 / 池新

○家族それぞれのよいところ / 池新
○おかしかった思い出 / 池新
○ところが、リサイクル / 池新
 ところが、リサイクルされているゴミは家庭から毎日出るゴミのほんの一部分にすぎません。リサイクルがむずかしい理由のひとつは、ゴミをだすときに分別しなければならないところにあります。たとえばかみは、ほかのゴミとまざったとたんになんの価値もなくなってしまいます。生ゴミはちゃんとわけてだし、あつめて、うまくくさらせれば土の価値を高める肥料としてつかわれるか、リサイクルされるかしています。
 ゴミが効果的に分別されるかどうかは、一般市民の協力の度合にかかっています。アメリカではリサイクルのためと、危険なゴミがほかのゴミとまざらないようにするために、紙やガラスの分別が奨励されています。長い目でみると、リサイクルにはさまざまな経済的な利点があります。リサイクルすれば、原料からつくるときよりエネルギーを大きく節約できるばかりでなく、大気汚染などの公害も半分以下におさえることができます。もし、さまざまな商品がはじめからリサイクルされることを念頭においてデザインされるようになれば、さらに経済的な効率は高まります。
 ゴミのなかから価値のある部分が分別されても、のこりの再利用できない部分をどう処理するかという問題はのこります。家庭ゴミを焼却処理することには、いくつかのあきらかな利点があります。焼却したあとに処理しやすい無害な灰がのこるだけですし、焼却炉からは、有効につかえる熱や電気もとれます。しかし、産業廃棄物の焼却と同様な欠点ももっています。焼却炉からでてくる煙は、不愉快でときには有害なこともあります。そして、焼却するという方法は、現在までのところ、埋め立てよりお金がかかるのです。
 しかし、大気汚染の危険や経費がかかるにもかかわらず、多くの都市では、埋め立て地がないために、しかたなくゴミを焼却処理せざるをえないのです。デンマーク、スウェーデン、スイス、そして日本では家庭からでるゴミのほぼ半分までが焼却処理され、うみだされた熱源を産業用、または近くの家庭の暖房などに利用して∵います。
 ゴミからエネルギーをひきだすさらによい方法として、埋め立て地にすててゴミをくさらせるという方法があります。ゴミがくさるとメタンガスが生じます。そこでこのガスをパイプをとおしてあつめ、工場の燃料や、発電所のエネルギー源としてつかうのです。ふつうのゴミからもかなりの量のメタンガスをとりだすことができます。埋め立て地もこの方法を考えに入れて設計されるようになってきています。

(ナイジェル・ホークス著 藤田千枝 監訳「環境を破壊する有害ゴミ」)