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課題集 エニシダ3 の山

★じゆうなだいめい / 池新
○この一年、新しい学年 / 池新


○シーラカンス / 池新
 大昔、地球上で栄えていた恐竜は、今から六千五百万年ほど前に絶滅しています。シーラカンスも、恐竜と同じ時代に生きていた古代魚のなかまで、体長は人間ほどの大きさもありました。世界各地で化石が見つかっており、恐竜とともにほろびさった生物であると考えられてきました。
 ところが、あるとき、南アフリカの東海岸で、漁師がつかまえた魚の中から奇妙な形のものが見つかりました。ぬるぬるした厚い大きなうろこにつつまれ、四本の足のようなひれを持つ魚でした。南アフリカの博物館員が調べたところ、それは、ほろびたはずのシーラカンスだったのです。その後、インド洋など、ほかの地域でもシーラカンスが発見されました。インドネシアでは、ほかの魚にまじって、何気なく魚市場に並べられていたこともありました。
 シーラカンスがすんでいるのは、ほとんど光の届かない深い海です。そのため、人間の目にふれず、ひっそりと生き続けることができたのかもしれません。発見されたシーラカンスは、三億年以上も前の化石と、ほとんど同じ姿をしていました。
 現在、シーラカンスが発見されているのは、南アフリカとインドネシアです。しかし、この二つの地域は、北海道から九州までの距離の約五倍も離れています。しかも、シーラカンスは深海に住んでいるため、泳ぎがうまくありません。どうしてこんな遠く離れたところに、同じようなシーラカンスがいたのでしょうか。
 科学者がシーラカンスのミトコンドリアの細胞を調べた結果、二つの地域のシーラカンスは、大昔に分かれたことがわかりました。
 昔、インド大陸がユーラシア大陸にぶつかって、インドがアジアと陸続きになったころ、その海にすんでいたシーラカンスがアフリカ側とアジア側に分かれてすむようになりました。シーラカンスの姿や形は、そのころからほとんど変わっていなかったのです。∵

 そこで、シーラカンスさんにインタビューしてみました。
「そんなこと、ちっともしーらなかったんす。」

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(κ)