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課題集 エニシダ3 の山

★じゆうなだいめい / 池新
○クリスマス、おおみそか、お正月 / 池新
○うれしかったこと / 池新

○シーソーのひみつ / 池新
 公園の遊具にシーソーがあります。二人ふたりそろえば、楽しく遊ぶことができます。シーソーは、ふつう長い板の真ん中に支柱があり、板の両方のはしに、人が乗れるように取っ手がついています。地面を足でポンとけると体が浮かび、相手がけると地面に着陸します。そのたびに、おしりがはずんで、板は音でリズムを刻みます。「ギッタンバッタン」「ギッコンバッコン」。音を遊具の名前にして呼んでいるところもあります。
 同じ年の、同じくらいの背格好せかっこうのお友達と乗るときは、シーソーはうまく上下に交互に動きます。ところが、お父さんやお母さんと乗るときには、自分の方は上がったままになって困ることもあります。大人のほうが、体も大きく重いからです。そんなとき、お父さんやお母さんの方がぐっと進んで板の前の方、つまり支柱に近いところにすわってくれると、バランスがとれるようになります。これは、どうしてなのでしょう。
 それは、てこの原理を使っているからなのです。例えば、自分の力ではびくともしないような大きな岩を動かしたいとき、ころあいの棒と小さ目の石があれば、わずかの力で動かせます。まず、棒を岩の下にすべりこませ、その棒と地面の間に小さ目の石を置きます。そして、棒の反対の長い方のはしを下に押せば、重い岩も軽く動かせるようになります。
 このてこの棒が、シーソーの板にあたります。小さめの石がシーソーの支柱で、大きな岩がお父さんというわけです。お父さんが、シーソーの支柱に近づいてすわったことで、てこのかたちができあがり、小さな自分の体重でも重たいお父さんを持ち上げることができたのです。
 どうしても動かない人のことを「てこでも動かない」と言いますが、これはそうとうの意地をはっているか、信念のかたまりなのでしょう。あまり強情だと、変てこな信念だと思われるかもしれません。∵

 言葉の森長文ちょうぶん作成委員会(μ)