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課題集 黄ツゲ の山

○自由な題名 / 池新
○服 / 池新


★ 一九九三年の二月(感) / 池新
 一九九三年の二月に、大村恵昭さんが発見されたO(オー)リングテストが、アメリカの特許庁から知的特許として認められたのです。
 Oリングテストを知った時に思い出したことがありました。
 私はかつて小さいころ畑に行って野草を食べて、ものすごく下痢をしたことがあったのです。その時に父親から、「なにかを食べたくなったら、それを持って体を曲げてみろ。持つ前よりも曲がったら食べてもいい。曲がらなかったら体に悪いものだから食べてはいけない」
 と言われました。
 人間は体に良いものを持つと、力が強くなり筋肉が柔らかくなります。反対に体に悪いものを持つと、力が弱くなり筋肉が硬くなるのです。
 日本人は昔から、このようなことを知恵として知っていましたから、Oリングテストは日本では特許にならないと思います。
 アメリカで特許になってから、欧米では力を測る機械をつくったほうがいいということになり、Oリングテスターのようなものができました。
 この機械は指でOリングをつくり、片手になにも持っていない時の力と、持った時の力とを比べて、強くなったらプラス、弱くなったらマイナスと表示するものです。
 一番早くつくったのはフランスで、アジアでも某国ではつくられていますが、日本ではまだつくられていません。
 どうしてかと言いますと、日本の百貨店やスーパーに並んでいる商品は、Oリングテストをすると体に悪いものがかなりあるとわかってしまうので、Oリングテスターが世に出たら商売にならなくなるからです。
 それで日本では機械をつくっていなかったのですが、これから海外から入ってくるでしょう。これは、簡単ですから日本でもつくられるでしょう。これが普及しますと、体に良いものしかつくれないし売れなくなると思われます。
 本物というのは、良いことがあって悪いことがないものです。しかも安全で安心できて、万能で値段が安く、誰にでも喜ばれます。
 このような本物志向化は世界の先進国ではもう常識になりつつあります。
 (中略)
 情報というのは、その情報に興味があって、それをうまく使える人のところに集まってきます。
 私のところには、本物に関する情報が多く飛び込んできます。
 これはやはり必然必要で、本当のことを知って、うまくまとめてルール化して、世の中に出す役割があるからだという気がします。
 それから経営コンサルタントを長い間やっていますと、世の中に必要な会社ならどんなことがあってもつぶれないようだということがわかるのです。資金繰りに困ってお金がないからもうつぶれるという時でも、どういうわけか、どこからかお金が入ってきて実にうまくいくのです。
 そういう出来事に四十年間で百五十七回も出会っています。
 三月の二十二日にも、ある会社の社長さんが娘さんをつれてこられました。ずいぶん前から知っている人なのですが、月末の資金繰りがうまくいかず会社がつぶれると言われます。娘さんは三日間泣き明かしたそうです。
 それで、「現実から逃げないで、いのちをかけて一生懸命やってみてください。世の中に必要な会社ならつぶれませんから」
 と、これだけ言ったのです。
 そうしたら二十八日の夜に、「船井先生、ありがとうございました。資金繰りができました。本当に不思議なことに、返ってこないと思っていたお金が返ってきたのです。これでやっていけます」
 と、言ってこられました。
 こんなことがよくあるのです。
 こういう出来事を見ていますと、われわれは誰かに生かされているのではないかという気がします。
 人間はまだ未熟ですから、各人の好きなようにさせますと自然の秩序を乱すこともあるので、サムシング・グレートにより「生かされている」のだと思います。
 
 「すべての答えは自分にあった」(船井幸雄著・徳間書店)