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課題集 黄ナツメ の山

○自由な題名 / 池新
○服 / 池新


★感情を支配(感) / 池新
 気分が沈んでいたら、歌おう。
 悲しかったら、笑おう。
 体調が悪かったら、仕事を倍にしよう。
 怖かったら、頭から突っこんでいこう。
 劣等感を感じたら、新しい服に着替えよう。
 自信喪失したら、少し声を高めよう。
 貧しさを感じたら、来たるべき富を考えよう。
 無力感を感じたら、かつて得た成功を思い返そう。
 卑屈になったら、かつて立てた目標を思い出そう。
 今日、私は自分の感情を支配するのだ。
 これより私は、自分は全力を尽くしていると自己満足している者は、本来の能力がそれほどのものではないのだと、考えることとする。そして、私は、そのような自己満足者になることを断固拒否する。
 やがて、私を引き裂き、壊滅させようとする力が私の身に迫ってこよう。その力とは、絶望や悲しみばかりではない。時には、微笑みと甘い言葉をもって接近してくるのである。すなわち、それは、思いあがりであり、自己過信であり、そもそもそれは、自己満足からはじまったものである。
 それに対しても、私はけっして支配の手をゆるめてはならない。
 自信過剰になったら、失敗したときのことを思い出そう。
 贅沢になったら、昔の飢えた日のことを思い出そう。
 自己満足に陥ったら、競いあった日のことを思い出そう。
 自分の偉大さに酔いしれたら、恥辱の瞬間を思い出そう。
 自分が全能だと感じたら、風が止められるか、試してみよう。
 巨富を得たら、飢えた人がいることを思い出そう。
 尊大になったら、無力だった時代を思い出そう。
 自分の技が、誰にも負けないと感じたら、星を見あげてみよう。
 今日、私は自分の感情を支配するのだ。
 これらの教訓を引っさげて、私ははじめて会う人物を訪問する。
 彼は私に対し、友好的ではないが、私は彼を理解し受け入れることができる。私は彼の腹立ちや苛立ちを気にしない。なぜならば、彼はまだ、自分の感情を支配する秘密を知らないからだ。
 私は、彼の怒りの矢や侮辱に耐えることができる。なぜなら、明日は、彼の機嫌はなおり楽しい気分が彼に近づきつつあることを、私は知っているからである。
 私は、初対面の人物をそのままで判断することはしない。今日、不愉快な態度で私を迎えた人でも、明日、ふたたび気軽に、私は彼を訪ねることができる。今日、その人は、黄金の馬車に、ただの一ペニーの値段をつけても買わないかもしれない。だが、明日になれば、たった一本の木と自分の家全部とを交換するかもしれない。巨富を得る鍵は、まさに、この秘密の知恵を知るところにこそある。
 今日、私は、自分の感情の主人になる。
 これより、私は、自分と他人との間に生じる「気分」というものの神秘性を認め、その理解に努める。今この瞬間より、私は、いかなる人格が自分の意識の中に生まれようとも、ただちにそれを支配するつもりである。私は、つねに、積極的に、自分の気分を支配する。それはとりもなおさず私の運命を支配することになるからだ。
 今日、私は、自分の運命を支配する。私の運命とは、世界一の商人となることである。
 今日、私は、自分の感情の主人になる。
 そして、私は、地上最強の商人となる。

 「地上最強の商人」(オグ・マンデイーノ)より