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課題集 黄ナツメ の山

○自由な題名 / 池新
○本 / 池新


★心からの愛(感) / 池新
 今日この日を、私は、心からの愛をもって迎える。
 しかし、私は、人びとの行ないに対して、どのように対応すればよいのであろうか。
 その答えは、ただの一語をもって答えられる。「愛をもって」この一語である。愛は人の心を開くための武器である。同時に、他人からの憎しみの矢や、怒りの槍をはね返す楯でもある。災難や失意が激しくこの楯を乱打しても、やがては、春雨のように力を失ってしまう。この楯は市場では私を守ってくれ、一人いるときは、私の心の支えになってくれる。失意のときは泰然、得意のときは冷然とさせ、心の乱れを鎮めてくれる。
 楯は日を追うごとに強力になるが、やがては、その楯さえ、私は必要としなくなる。私は、その楯をかたわらへ放棄し、あらゆる武器を持たないまま、世間の人びとの中へ入っていくことができるようになる。そのときこそ、私の名前は、ピラミッドより高くたたえられることだろう。
 今日この日を、私は、心からの愛をもって迎える。
 しかし、私は、はじめて出会う人びとに対し、どのように接すればよいのであろうか?
 方法はただ一つである。無言のうちに、心の中で、私は彼に近寄り、そして、「私は、あなたを愛している」と呼びかける。この言葉は、沈黙のうちに語られるが、しかし、それは、私の眼の中で輝き、私の額のしわをぬぐい去り、私の唇に微笑みをもたらし、私の声の中にこだまする。そして、このとき、はじめて彼の心が開かれるのである。
 心がすでに、私の愛で開かれているのに、私の商品を拒みえる者がいるだろうか?
 今日この日を、私は、心からの愛をもって迎える。
 私は、何にもまして、自分自身を愛する。
 そして、つねに私自身を知りつくすべく努めよう。私の肉体の一部と化した、精神、魂、心のすべてを知りつくすのだ。
 私は、自分の肉体の要求に、そのまま溺れることなく、清潔さと適正さをもって、その要求にやさしく応えよう。私は、私の精神が邪悪なるものや絶望的なるものに引きつけられることをけっして許さず、むしろ、それらを、長い間に培った知識と叡知をもって、高い境地にまで昇華させよう。
 私は、一人よがりな自己満足に陥ることなく、瞑想と祈りによって、自らの魂を高めていこう。
 私は、自分の心が狭く、冷酷になるのを許さない。人びとと、愛を分かちあい、寛容の心を成長させ、世界が暖かい友情で包まれるのが、私の望みである。
 今日この日を、私は、心からの愛をもって迎える。
 今より、私は全人類を愛する。今この瞬間より、すべての憎しみは、私の血管から除かれる。なぜなら、もう私には、愛する時間はあっても、憎む時間はないからである。今この瞬間より、私は男の中の男になるべく、その第一歩を踏みだす。私は、愛をもって、売上げを百倍にも増やし、偉大な商人になってゆくのである。
 たとえ私には何の長所がないとしても、案ずるには及ばない。愛さえあれば、成功への道は必ず開けるのである。愛がなければ、あらゆる知識や技術をもっていようと、きっと失敗することだろう。
 今日この日を、私は、心からの愛をもって迎える。
 そして、私は成功する。

 「地上最強の商人」(オグ・マンデイーノ)より