ひとこと(4月4週)
「効力感は」を読んで
アジサイの広場
乱月あし高3
 
 自然な生活の中で、子供は多くの望ましい特性を発達させる。熟達を例に取
ろう。彼らは熟達を通して努力の意味を知り、効力感を発達させる。世間には
様々な効力感を発達させる機会がある。また、そういった機会があると同時に
、同じように様々な手本がある。親は子供のそういった効力感を直接コントロ
ールしようとするのではなく、むしろ間接的に環境を整えてやって、子供の行
動を導くことの方が大切なのだ。しかし今日の世の中でこのような望ましい教
育をしている人は少ない。そんな教育のもとで育った少年たちが今、紙面を騒
がしている。
 
 家庭内で子供がうっとうしい親に対して不満を持つのは一つの現状だ。しか
し一方で、温かい家庭を夢見る両親が必要以上に子供にこびているのも現状な
のだ。表面上はよくてもそこにとてもそれには程遠い親子があるだけでは何に
もならない。弟の馬鹿らしい要求をただ聞いているだけの父にも先日文句を言
ってやった。不意に息子に鋭いところを突かれた父は愕然となっていた。親不
孝者の私に幸あれ。
 
 幼少の頃に威厳を持った父親がいたら自然と善を行っただろう。しかしそん
な理想に程遠い今は子供の効力感をコントロールしてでも彼らを制するべきな
のだ。麻薬取締法で検挙された中高校生の数は、ここ数年で初期の10倍にも
達している。そんな予測もつかないような行動をする者達も出て来る今はいつ
か昔の少年たちのようなきれいな目を持った子供になることを期待しよう。
 
 確かに今日の状況を打開するには子供たちの成長にとって望ましくない道を
避けて通れないのは明白だ。しかし理想的な回復を期待できなくなった今日、
強引な手段に出ざるを得ないのはしようがない。待てば海路の日和ありという
が、こんな状況では嵐はもっとひどくなるだろう。少年を取り巻く環境にいる
人々は今、行動を起こすべきなのだ。
 
 彼らには少なくとも15年後、生まれてきた子供に対して理想の両親を演じ
てやって欲しい。