ひとこと
視点
イチゴの広場
天翔真人うち
 
 私たちが就職するとき最も考えることは、その分野の将来性であると思う。
ところが、現在の社会の中をしっかりとした視点無くみてしまうと、まさに乱
世であると思う。どの会社やどのような分野が、これから先、生き残っていく
のか解らなくなってしまう。
 
 しかし、現在社会が抱えている問題を冷静に考えて行けば、今後社会が求め
ていくもの、つまりボトルネックが明らかになってくのではないかと思う。そ
れらを日本の中で具体的に見ていくと、次のような傾向があげらる。
 
 現在日本において、生産性が低いとされるものを見ていくと、多大な人権費
が原因であるように感じる。銀行、教育、医療、政治など上げていくと以外と
きりがない。生産性が低いとはいえ、全ての分野において、人間としてのマナ
ーを厳守し、又周囲の人を導くべき力を持ち、信頼性がなくてはならない分野
である。つまり、私たちが今考えられる中で、生産性の低い分野は生産性を低
くしてでも、求めなくてはならない信頼性があったといえる。
 
 しかし、現在生産性の低い分野の多くにおいて、それを盾に必要以上に利益
を得ようとする人が増えてきてしまっている。現在銀行におけるビックバン、
医療におけるインターネットやテレビ電話使用による遠距離での診察など、生
産性を低くしようという努力が行われている。
 
 また私の仕事でもある流通業においてみていくと、生産性を高くするために
アルバイトやパートを大量に雇い、安い人権費で高い生産性を上げようとして
いるほか、ほとんどの製品が、東南アジア他人権費の安いところで製品を作り
、販売しているということが良くわかる。
 
 当然、生産性を低くしてしまうことにより大きなデメリットもあり、生産性
を上げるために人員削減を行うことによるリストラを始め、給料の年俸制度な
どがある。また電化製品などを見ていくと、製品が故障したとき、それを修理
しようとすると結局日本で修理するために、かなりの人権費がかかり、結果と
して買ってしまったほうが安いということから、まだ少し手を加えればまた使
用できるようなものでも、捨ててしまうことにより、廃棄物の増加など思わぬ
副産物まである。
 
 今現在、確かに先を見据えて、そこまでのボトルネックを考えるというのは
、困難なことであると思う。また低い生産性のものの生産性を上げていくには
、それ以上の多くの犠牲が出る可能性も十分考えなくては行けないと思う。私
たちはいままで、生産性を上げることにより、いかにして自分の生活を楽にし
て行くか、ということに突出し過ぎているような気がする。今後私たちのボト
ルネックになるものは、皮肉にも負の生産性を求める物かも知れない。