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清書:恐竜の赤ちゃん アジサイの広場
れもんふれ小4

 私は小学校三年生ぐらいの時に、アゲハチョウの幼虫を飼った事があります。私は、アゲハチョウの幼虫を教科書や、図鑑の写真などでは見たこ
とがありましたが、実際に見るのは初めてでした。教科書や図鑑などの写真でも気持ちが悪かったけれど、実際は教科書や図鑑などで見るより、も っともっと気持ちが悪くて、まるで恐竜の赤ちゃんのようでした。だから最初は、寝る前に幼虫を見るとその日の夜は、こわい夢を見てしまうので 、なるべく寝る前には幼虫を見ないように心がけているほどでした。(これが、あのきれいなアゲハチョウの幼虫だ。)と思い出した時、私はきつ ねにつままれたような気持ちになりました。  

 しばらくすると、アゲハチョウの幼虫がさなぎになりました。さなぎになったら全く動かなくなり、恐竜の赤ちゃんのようだった幼虫とは全く違
う虫のようになりました。  

 ある日、幼虫の時とは違ってじっくりアゲハチョウの観察をしていた私はハッとしました。
 

 「あれ、アゲハチョウのさなぎが茶色くなっている・・・。」
 

 でも、私は冬だから、茶色くなっているのかな、と思って、しばらく春になるまで、待ってみることにしました。けれど、四月がすぎても、五月
がすぎても、とうとう、六月まですぎても、アゲハチョウのさなぎは、いっこうにチョウになる気配もありません。そうなのです。アゲハチョウの さなぎは、死んでしまっていたのです。  

 その後、学校で、アゲハチョウの成虫を見ました。わたしは、(あんな恐竜の赤ちゃんのような顔をしていたあの幼虫も、こんな成虫になったの
かな。)と、思いました。  

 後から、理科で習ったことですが、本当はアゲハチョウの幼虫の、恐竜の赤ちゃんのような部分は、顔ではなくて、アゲハチョウの幼虫を食べる
鳥、つまり、アゲハチョウの幼虫の敵に、ヘビに見せかけておどかし、食べられないようにつくられた、頭だったそうです。つまり、私がおどろか されていたということは、私は、アゲハチョウの敵、つまり鳥と同じくらいの脳だったのだなと思い、少しショックでした。(笑)でも、よく考え られているのだなと思って感心しました。  

 もし、また機会があったら、またアゲハチョウの幼虫を育ててみたいです。今度はもう、恐竜の赤ちゃんのような部分は、顔ではないことが分か
ったので、寝る前にアゲハチョウの幼虫を見ても、こわい夢はみないと思います。  

 
                                         
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